13 モン族の家(Hmong House)  
     
  モン族はモン・ザオ語系に属し人口約107万(2009年)、父系制で、中国またはラオスとの国境付近のハザン省、ラオカイ省、ライチャウ省、ソンラー省などの山岳部、標高800~1500mの所に居住している。モン族はさらに、花モン族、赤モン族、白モン族、黒モン族などに分かれる。
モン族の家は高床式ではなく、地面の上に直接建てられる。これは、イエンバイ省ムーカンチャイ県の花モン族の家で、1984年に建てられ、1999年に博物館に移築された。建築のための斧や槌(つち)、鑿(のみ)などの工具も、自分達の手で鍛造する。家の近くに鍛造の作業場が展示されている。柱や垂木、屋根など、全て近隣の森から切り出したpơmuと呼ばれる木(ベトナムヒノキ(福建柏))で作られている。
屋根は600枚の長さ1.2 m、幅0.3 m〜0.4 mの大きな帯状の板で覆われている。モン族は美しい麻の織物で知られ、白モン族は白い繊維をそのまま使い、独特の白色が保たれている。黒モン族や花モン族は、ろうけつ染めの藍布を刺繍でさらに美しく彩る。家の中に織り物や刺繍をする女性のために、屋根から光を取り込めるよう、いくつかの帯状の屋根板は移動することができるようになっている。
 
     
     
     
     
     
  暖かい家を維持するために、モン族の囲炉裏の火は常につけられたままになっている。