07 エデ族の家(Ede House)  
     
  エデ族はオーストロネシア語系に属し、人口約33万人、主にダクラク省、ザーライ省南部などの中部高原(Tây Nguyên)に居住している。野外展示されているのは、ダックラック省バンメトート市キー村から移築された、全長42mもあるエデ族の民家である。特徴は母系制大家族で、祖母を中心に娘、孫娘の家族が共に暮らす。家族が増えると家を増築し、長くなる。高床式であるが、床の高さは低めになっている。
家の柱や梁、階段には、女性の乳房(女性の地位が高いことを表す。)や三日月、動物など様々な彫刻が施され、家主の富を表している。
 
     
     
     
     
  このエデ族の長い家は、竹、木材、藁葺き屋根でできており、太い短い柱がたくさんある。通常のエデ族の長い家には2つの玄関があり、正面は男性と来役用で、背面の玄関は女性用となっている。 中に入って最初の大きい部屋が居間で、来客用の長いベンチや、ジウカン(rượu cần)と呼ばれる酒の壺がいくつも置かれている。居間は家全体の半分ほどを占め、美しい装飾が集められている。さらに奥にはそれぞれの夫婦の小部屋と裏玄関へと続く。
フランスの調査データによると、過去には家の長さが200mを超えるような非常に長い家があった。 そのため、ゴングが家の居間で打たれても、その音は反対側でかろうじて聞こえたという。
 
     
     
  このエデ族の長い家では、HDiah Eban夫人の家族16人が一緒に住んでいて、それぞれが共通の廊下に向かって独立した3つの部屋を設けていた。それぞれの夫婦は、子供たちと一緒に寝て、頭を東に向けた部屋を持っていた。彼らはこれらの部屋にほとんどは衣類であるが私物を置いていた。  
     
     
     
  一番奥は裏玄関に続く、女主人の部屋で食品の保管や料理の準備のための、囲炉裏などが設けられていた。