037 クラスフの小家屋
Cottage from Krasowy (ca. the mid-19th century)
 
     
  プシュチンスカ・リブニク地方のクラスフの小家屋。中流農家の小家屋として19世紀前半に建てられたもの。 広い間口側に入口のある小家屋は、妻側の壁が道路に面するように配置されている。壁の丸太は、四隅が鞍型組み接合(サドルノッチジョイント)で固められている。屋根は、段状の茅葺で覆われた、帯梁で固められた垂木構造の寄せ棟屋根となっている。妻側の屋根はかなり急な勾配になっており、棟は短い木製の板で作られた棟木板で補強されている。 19世紀の最後の10年間で、住宅内部の伝統的なスタイルの変化がアッパーシレジア地域で見られた。この変化は、主に社会経済的変革によってもたらされたものである。入り口の左側には、部屋と隣接する貯蔵室につながる扉がある。もともと寝室、ダイニングルーム、キッチンを兼ねていたメインルームは、居間と変わった。食事は台所で調理され、この部屋で食べられるようになった。 出入り口からの通路には、屋根裏部屋へのはしごと家畜室への入り口(庭からもアクセス可能)がある。その先に、隣接する貯蔵室を備えた台所が配置されている。キッチン用具は、大型フード付きのストーブ、背もたれ付きのベンチ、キッチンに必要な小さなテーブル、サイドボード、食器(木製と陶器製)が置かれている。